省力化投資補助金は業種を問わず使える?製造業・サービス業を中心に見る活用のポイント

省力化投資補助金 業種を問わず使える?

「省力化投資補助金は自社の業種でも対象になるのだろうか」――中小企業診断士としてご相談を受ける中で、業種によって活用できるかどうか迷われる方によく出会います。

本記事では、中小企業省力化投資補助金(一般型)公式サイトおよび第8回公募要領を参考に、業種を問わず対象になるかどうかの考え方と、特にご相談の多い製造業・サービス業を中心とした活用のポイントを整理します。制度の基本的な概要はこちらの解説記事もあわせてご覧ください。

省力化投資補助金の対象は「業種」ではなく「工程」で見る制度

対象者要件は業種によって基準が分かれており、資本金・常勤従業員数のいずれかが基準以下であれば対象になります。目安として、製造業・建設業・運輸業は資本金3億円以下または常勤従業員300人以下、サービス業(ソフトウェア業・情報処理サービス業・旅館業を除く)は資本金5,000万円以下または常勤従業員100人以下です。

ソフトウェア業・情報処理サービス業・旅館業は、この基準表の中では別枠(資本金3億円以下または常勤従業員300人以下、旅館業は5,000万円以下または200人以下)として扱われています。自社がサービス業のどの区分にあたるか迷う場合は、公募要領の該当箇所で確認しておくと安心です。

公募要領では、対象となる「オーダーメイド設備」について、ICTやIoT、AI、ロボット、センサー等を活用して生産工程を自動化する専用設備と定義されています。この「生産工程」という言葉から、製造業向けの制度だと感じる方が多いのも無理はありません。

ただし公募要領上、対象事業者の業種そのものが製造業に限定されているわけではなく、サービス業も前述の基準を満たせば応募できます。サービス業で活用を検討する場合は、自社のどの業務を「工程」として整理できるかを言語化するところが、計画づくりの出発点になります。

対象者要件の基準表には、製造業・サービス業のほかにも、建設業・運輸業・卸売業・小売業など幅広い業種が並んでいます。どの業種であっても、資本金・従業員数の基準を満たし、自社の業務を「工程」として整理できれば、検討の土台に乗る制度です。

省力化投資補助金 業種ではなく工程で考える

製造業でよくある活用イメージ

ご相談いただく機会の多い製造業のお客様では、検査・検品工程や搬送工程、溶接や組立といった定型作業の自動化を目的とした導入が中心になる傾向があります。

これらはいずれも「生産工程」という定義にそのまま当てはまりやすく、設備導入前後の作業時間を比較しやすいため、省力化指数(削減される業務時間の割合)も算出しやすい傾向にあります。

サービス業での活用ポイント|業務工程をどう捉えるか

サービス業の場合は、店舗や事業所内の定型的な業務――受付、検品、在庫管理、清掃など――を「工程」として捉え直すところから整理するとよいでしょう。

たとえば、予約受付や在庫確認をIoT・AIで自動化する、清掃や店内搬送にロボットを導入する、といった計画であれば、製造業の生産工程と同じように、業務の削減時間を根拠に省力化指数を算出できる余地があります。

ただし、こうした業務が実際にオーダーメイド設備として認められるかどうかは、事業者ごとの計画内容に応じて個別に判断されます。サービス業で検討される場合は、早めに公募要領の定義部分を読み込んでおきましょう。

業種にかかわらず共通して整理しておきたいこと

製造業・サービス業のいずれであっても、「どの業務にどれだけの時間がかかっていて、設備導入でどれだけ削減できるか」を数字で示せるかどうかが、事業計画の説得力を左右します。

まずは自社の業務を工程単位で書き出し、削減できそうな時間を仮でよいので見積もっておくところから始めておくと、後の計画書作成がスムーズになります。

省力化投資補助金 導入前に整理したい3つのこと

省力化投資補助金・業種を問わず押さえておきたいポイントのまとめ

省力化投資補助金(一般型)は、業種そのものではなく「工程」を自動化する設備かどうかで対象が判断される制度です。特に以下の点は押さえておきましょう。

  • 対象業種は製造業・サービス業に限らず、建設業・運輸業・卸売業・小売業なども幅広く含まれる(基準は業種ごとに異なる)
  • 対象者の資本金・従業員数の基準は業種ごとに異なり、サービス業は製造業より基準が低め
  • 対象設備の定義は「生産工程」の自動化が軸だが、業種そのものは製造業に限定されない
  • 製造業は検査・検品・搬送・組立などの工程がそのまま当てはまりやすい
  • サービス業は受付・在庫管理・清掃などの定型業務を「工程」として捉え直す視点が必要
  • 業種を問わず、削減時間を数字で示せる準備が計画書の説得力を左右する

「自社の業務は工程としてどう整理すればよいか」「サービス業だが対象になるか判断したい」など、具体的なご相談はお気軽にご連絡ください。初回相談は無料、全国オンライン(Zoom)対応しています。

参考情報

本記事の内容は、以下の一次情報をもとに作成しています。申請を検討される際は、必ず最新の公募要領を公式サイトでご確認ください。

執筆:中小企業診断士×行政書士 瀧澤はるか