省力化投資補助金の選び方|「一般型」と「カタログ注文型」の違いを比較

省力化投資補助金の選び方 一般型とカタログ注文型の違い

省力化投資補助金には「一般型」と「カタログ注文型」の2つの型があり、はじめてこの制度を検討される事業者様から省力化投資補助金の選び方についてご相談をいただくことがよくあります。

本記事では、一般型公式サイトおよびカタログ注文型公式サイトの公募要領・応募交付申請の手引きを参考に、両者の違いを比較表で整理したうえで、自社に合った型の選び方をご紹介します。一般型の制度概要はこちらの解説記事もあわせてご覧ください。

「一般型」と「カタログ注文型」、根本的な違いはどこにあるか

両者はともに、人手不足に悩む中小企業等の省力化投資を支援する制度です。まず異なるのは、対象となる設備の性質です。

一般型は、自社の課題や作業工程、事業所のレイアウト等に合わせて機能・構造・性能等を個別に設計・開発した「オーダーメイド設備」を導入する事業計画が対象です。一方カタログ注文型は、あらかじめ国に登録された製品カタログから、汎用の省力化製品を選んで導入する仕組みです。

申請の主体にも違いがあります。一般型は中小企業等が単独で申請しますが、カタログ注文型は導入したい製品を扱う販売事業者と共同で交付申請を行う点も押さえておきましょう。

実は一般型の公募要領自体が、申請を検討する前にカタログ注文型の製品カタログを確認することを案内しています。カタログに掲載された製品はすでに国が省力化効果を認めた製品であるため、カタログ注文型のほうが一般型より審査項目が少なく、申請も迅速・簡易であるとされています。

一般型とカタログ注文型の比較

比較表で見る8つの違い

制度の骨格部分を比較表に整理しました。

項目 一般型 カタログ注文型
対象となる設備 自社の課題・工程に合わせて個別設計する「オーダーメイド設備」 あらかじめ登録された製品カタログから選ぶ汎用の省力化製品
申請方法 中小企業等が単独で申請 中小企業等と販売事業者が共同で申請
公募方式 回次公募(現在は第8回。公募開始・締切・採択発表の期限あり) 随時受付(2027年3月末頃まで)
補助率 中小企業1/2(最低賃金引き上げ特例適用時2/3)、小規模企業者等2/3 1/2以下(購入価格が上限額の2倍を超える場合は1/2未満)
補助上限額 750万円〜8,000万円(賃上げ特例1,000万円〜1億円、従業員規模別) 500万円〜1,000万円(大幅な賃上げ特例750万円〜1,500万円、従業員規模別)
補助対象経費の区分 機械装置・システム構築費(必須)ほか計6区分 製品本体価格・導入経費の2区分(製品ごとに上限額が事前登録済み)
補助事業実施期間 交付決定日から17か月以内(第8回) 交付決定日から原則12か月以内
事業計画の作成負荷 省力化指数の算出、投資回収期間の提出、付加価値額増加計画など、盛り込む項目が多い 労働生産性の向上目標の設定が中心で、比較的軽い

特に見落とされがちなのが事業計画の作成負荷です。一般型の公募要領では、次の5つの視点から総合的に審査が行われるとされています。

  • 申請する製品でどのような省力化効果が見込めるか
  • 省力化効果によって付加価値の向上がどの程度見込めるか
  • 事業状況に見合った投資であるか
  • 個別の課題に対して機能・構造・性能等が一品一様で設計・開発された事業計画になっているか
  • どれだけ革新性があるか

一方カタログ注文型は、カタログ製品ごとに国が省力化効果を認定済みのため、労働生産性の向上目標の設定が中心となり、準備の負担は軽くなります。

公募方式にも違いがあります。一般型は回次公募のため公募期間内に申請を終える必要がありますが、カタログ注文型は随時受付のため、比較的自分のペースで準備を進めやすい型です。

省力化投資補助金の選び方:自社はどちらが向いているか

省力化投資補助金の選び方を考えるときは、まず「導入したい設備が製品カタログに掲載されているかどうか」を確認しておきましょう。

カタログに掲載された汎用製品で自社の課題を解決できる場合は、事業計画の作成負担が軽く、随時申請できるカタログ注文型が候補になります。導入を急いでいる場合や、はじめて補助金を申請する場合にも取り組みやすい型といえるでしょう。

一方、自社の生産ラインや店舗レイアウトに合わせて設備を個別に設計する必要がある場合、あるいはカタログに該当する製品がない場合は、一般型を検討することになります。補助上限額も一般型のほうが大きいため、投資規模が大きい計画にも対応しやすい型です。

なお、導入したい製品がカタログ掲載のカテゴリに該当する場合でも、そのまま一般型で申請すること自体は可能で、審査の際に一定考慮されるとされています。ただしそれが認められるのは、周辺機器や構成機器の数・搭載機能等を自社の環境に合わせて変える場合や、複数の汎用設備を組み合わせてより高い省力化効果を生み出す場合に限られる点には注意しておきましょう。

申請のタイミングも判断材料になります。一般型は現在第8回公募中で、公募開始は2026年8月18日、締切は2026年10月中旬頃の予定です。一方カタログ注文型は2027年3月末頃まで随時受付のため、公募期間に縛られず自分のペースで準備を進めたい場合に向いています。

迷う場合は「カタログ掲載製品で要件を満たせるか」を軸に考え、判断がつかないときは公募要領と自社の事業計画を照らし合わせながら決めていくと安心です。

省力化投資補助金の選び方

省力化投資補助金の選び方のまとめ

省力化投資補助金の「一般型」と「カタログ注文型」は、同じ人手不足解消を目的とした制度ですが、対象設備・申請方法・公募方式・事業計画の作成負荷など、実務上の違いが数多くあります。

特に以下の点は押さえておきましょう。

  • 一般型はオーダーメイド設備、カタログ注文型はカタログ掲載の汎用製品が対象
  • 一般型の公募要領自体が、申請前にカタログ注文型の製品カタログを確認することを案内している
  • 一般型は回次公募(第8回は締切2026年10月中旬頃の予定)、カタログ注文型は随時受付(2027年3月末頃まで)
  • 補助上限額は一般型のほうが大きいが、カタログ注文型は事業計画の作成負担が軽く、販売事業者と共同で進められる
  • 迷ったときは「導入したい設備がカタログに掲載されているか」を軸に検討するのが選び方の第一歩

「自社の計画には一般型・カタログ注文型のどちらが向いているか」「事業計画の書き方に不安がある」など、具体的なご相談はお気軽にご連絡ください。初回相談は無料、全国オンライン(Zoom)対応しています。

参考情報

本記事の内容は、以下の一次情報をもとに作成しています。申請を検討される際は、必ず最新の公募要領・応募交付申請の手引きを公式サイトでご確認ください。

執筆:中小企業診断士×行政書士 瀧澤はるか